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2013年1月16日 (水)

STペンと、タチカワトップハードゴールド

年が明けてしまいました。
少しは真面目に記事を増やさねば、と思います。

つけペンと言われて普通思い浮かべるのは、かぶらペン(さじペン)・Gペンなど
漫画の道具としてのペン先が多いのですが、他にもずっと使われている分野があります。

カリグラフィ、ペン習字です。

一般には流通していませんが、ペン習字用に独自に開発されたペン先、というのがあります。

その名も「STペン先」

St3_3
上から、

・トップハードゴールド 金色メッキ/リザーバー付(タチカワ)
・STペン 硬質クロームメッキ(ジロー)
・STペン ニッケルクロームメッキ(ジロー)

なぜ3本並べてなのかは、ちょっとしたいきさつがあります。
昨年末、ある漫画作家さんが「このペン先は何?」と疑問をブログに書かれ、
人づてに問い合わせがきたのです。

まず、しなえさんがブログに書かれ、宇院澤まつげさんがゆうじさんに問い合わせ、
ゆうじさんが当方に尋ねてくださいました。
(注:各人のサイト、または該当記事に直接リンクしています)

そこで、わかっている僅かな情報をお伝えしました。
ここに転載させていただきます。
--------------------
STペンは、
鷹見芝香さんの考案による、
ペン習字用のつけペン先です。
タカミシコウさんなので頭文字がS.T.です。

なので「STペン 鷹見芝香」でググると
色々な情報が出ています。
例えば書道用品のページ
http://www.ensk.co.jp/yougunoyosann.html
新品は水道橋で買えるのかもしれません。

ジローという会社はわかりません。
私が入手したものは、やや古いニッコー10本入プラケースに入った状態だったので、
製造元はニッコーかもしれないと思ったのですが、
定かではありません。
メッキはニッケル色とクローム色の両方が存在します。
年代によって違うのかもしれません。

かつて「STペン軸」という製品もありました。
太い木製のペン軸にラバーゴムのグリップが付いています。
「STペン」「STペン軸」は、そんなに新しいペンでもないようで、
昭和40年代前半の習字用品のカタログにも載っています。

外国製のものでは似た形のペン先もありますが
(例 レオナルドDP111)
http://www.praebitor.net/SHOP/gb-man-nib-dp111.html
先曲げがないので、日本の字は書きにくそうです。
-------------------------------
ここまで

ペン習字関係者のかたのほうが詳しいでしょうね。
現在でもおそらく購入できるようです。

問い合わせの中で、ゆうじさんが「ヤフオクで見かけた
タチカワのトップハードゴールドに似ている」と画像をくださいました。
なるほど確かに似ています。
それも交えて、現物を比較してみましょう。

もう一度 3本並んだ図

St3_3

上から、下から

St

St_2

先端

St3_9

形は見事に同じですね。
先擦り(さきずり・インクの保持するための細かい傷、溝)が少し違うでしょうか。

タチカワのトップハードゴールドですが、ゆうじさんの日記にある
オークションの出品画像によれば

1000 WRITE PEN
TOP HARD GOLD
1/2グロス300円
本体にはタチカワのロゴ、No.775の品番が刻印されています。

当方の写真のペンは、TPKという刻印があるのみですが、
同じ製品に間違いないようです。
アジアの他国の生産品かと思っていたペンでしたが
もしやと思いリザーバーを見ると、タチカワのマークがありました。
TPK=タチカワペン先株式会社、の意味と思われます。

Photo_4

Photo_5

STペンの方は、

「TOKYO
S.T. PEN
ジロー.CO.」という刻印があります。

ジローという会社は、STペンの販売元と考えられますが、
おそらく製造したのは大手のペン先製造会社です。

当方が入手したSTペンは日光のプラ小箱に入っており、
漠然と「日光製」ではないか」と思っていましたが
ゆうじさんの指摘を受け、こうして見比べてみて
タチカワ製の可能性が高いと思うようになりました。

なお、STペンの上のものは青白い硬質クロームメッキ、
下のものは赤み、黒味の強いニッケルクロームメッキです。
先摺りと色の感じから、下のもののほうが現行に近く
新しいものと思われます。
ペン先のメッキは、一時期、特にタチカワで硬質クロームメッキが用いられましたが
環境に配慮してなのか、黒っぽいニッケルクロームに変わっていきました。
STペンもそれに準じているのだと思われます。

なお、STペンには新旧を問わずJISマークは入っていません。
鋼ペン先JIS6008の規準に、STペンの形は含まれないからです。
鉄道ペン・カリグラフィペン・丸代ペン等も同様です。

なお、「STペン軸」というペン軸もあるのですが
それは次の機会にいたしましょう。

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コメント

その節は大変お世話になりました。

ジロー製のSTペンを入手なさったんですね!
しかも2種類。

実は今日、三多軒に行ってきたんですが、STペンはすでに在庫も全部売れてしまったそうです。

店員さんによると、メーカーが廃業したのはつい2年前のことだったみたいです。
残念です・・

投稿: 宇院澤まつげ | 2013年1月17日 (木) 00時18分

コメントありがとうございます。
こちらこそ、お世話になりました~。
おかげさまで、こうして紹介させていただくことができました。

STペンは、以前2~3回ほど入手したのですが、
照らし合わせてみると、メッキが異なっていたのです。

三多軒でも、もう売っていないのですか。残念ですね。
STペンは強弱はつきにくいですが、書きやすいですよ。
復活してくれないものかなあ。

投稿: ペン先の秘密 | 2013年1月17日 (木) 00時58分

おおおお・・・・・!写真入りで分かりやすいですね。(^o^)/
この辺までになると独壇場ですね!

その節は大変お世話になりました。
疑問を丸投げして申し訳ありません。(>血< ;)

しかし・・・・このペン先・・・
書き味が気になる所ですが、「抜き」と「入り」が気がかり・・・・・。
今まで、先がこぉ、クニッと曲がっている物で、入り抜きがGペン並みの物は
殆ど無かったからです。

ペン先は本当に迷路のようにわけがわかりません。

投稿: ゆうじ | 2013年1月17日 (木) 01時16分

ありがとうございます。
ゆうじさんのおかげでトップハードゴールドとの比較ができました。
写真が下手で……ゆうじさんのようにキレイに撮れたらなあ、と思ってしまいます。

書き味は、しなえさんのイラストを拝見するとイメージしやすいかも知れません。
あるていど均質な、一定の太さを持った描線に向いています。
これがミリペン(製図サインペン)だと、線の始点・終点が太ったり
線の途中がブレたりして、シャープに決まりません。
つけペンならば描線をコントロールしてかけるのだと思います。

先端が1ミリほどクニッと曲がっているのは、「先曲げ」「ポンチ」「玉出し」などと呼ばれ
紙への当たりをよくし、摩擦を少なくするために施されている加工です。
これによって、縦横斜め、どんな角度にも線がひきやすくなります。

紙に接する部分が柔らかくあたるように、丸くなだらかにしてあるわけですから
接する面積も大きくなると思うのですよ。
これでは、Gペンや丸ペン並みの、極細からの入り・抜きは難しそうですね。

投稿: ペン先の秘密 | 2013年1月17日 (木) 11時22分

こんばんは、しなえです。
先日はありがとうございました!

私が友人からペン先を頂いた時も「NIKKO PEN」と書いてあるプラスチックのケースに入っていました!
でも友人が箱をすり替えた可能性があったのでブログの記事にした時は黙っていたのですが、
もしかして大事な情報だったのでしょうか…(・▽・;)

初めてペン先の溝をまじまじと見ました!
3本とも色だけじゃなくて、溝や傷が少しずつ違うんですねー…
今まで何気なく使っていたので改めて驚きました。

STペン軸という物もあるのですか!? STペンって意外と幅広いんですね!

投稿: しなえ | 2013年1月17日 (木) 21時18分

わあ、しなえさんがコメントくださるとは!
ありがとうございます、うれしいです。
私が入手したSTペンも、「NIKKO PEN」10本入りプラケース(赤色)に
入っていたのですよ。
ですから、「日光で製造して、そのまま詰めて出荷したのかな?」と
思っていたんですけどね~。

ただ、書道用品のリスト・カタログなどに、STペンと共に並んでいたのが
日光のカブラペンとラウンドペンだったりしたので
STペンが日光製でなくても、書道教室(協会?)の方で
空き容器に詰めて販売していた可能性もあると思います。

使うペン先は、流派や教室によって異なるかもしれません。
近所のお習字教室の先生によれば、ペン習字は、日々の練習はデスクペン(万年筆)で行い
提出用作品の清書は日本字ペンを用いるとのことでした。

STペン軸は現在は製造販売されていませんが、後継の「NSペン軸」が
書道用品のページに載っていますね。
「NS」が何の略かは不明ですが、
なにげにキャップ付きで使いやすそう……。

投稿: ペン先の秘密 | 2013年1月18日 (金) 00時58分

遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。
この”ジロー”ってのは、画廊ならぬ字廊ってことなんでしょうかね?
でもジロウでは痔ろうって言葉も連想されて具合が悪いのでジローと…想像の域を出ないですが。
ちなみに、自分の手元にあるSTペン先もNIKKOのプラケースに入っています。

投稿: アル☆中 | 2013年1月18日 (金) 13時31分

アル☆中さん、明けましておめでとうございます。
こんな零細ニッチな場所を忘れないでいてくださり、ありがとうございます。

アル☆中さんもSTペン先をお持ちなのですか。
やはり日光のプラケース入りで販売されていたんですね。
ということは
日光の製品なのか…?う~ん、わかりませんね~

「ジロー」=「字廊」?そうなんでしょうか?
「CO.」というのは一応、株式会社のことだと思っていたのですが…
どなたか、分かる方いらっしゃいませんかね?
STペン軸にも「ジロー CO.」のロゴがあります。
次の記事にアップいたします。

アル☆中さんも、ペン先を集めてらっしゃるのでしょうか?
面白い情報があったら、ぜひ教えてくださいね。

投稿: ペン先の秘密 | 2013年1月19日 (土) 01時07分

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